日本を代表する犬といえば、やはり柴犬ではないでしょうか。
柴犬は日本で唯一の小型犬ということもあり、今も昔も根強い人気を誇っています。
近年海外でも「シバ」「シバ・ドッグ」などと呼ばれ人気が高まっている犬種です。

●大きく二分して現代種(新柴犬)と、古来種(縄文柴)と呼ばれることもあります。
現代種は、古来種に比べよりペットとして飼い易く、小柄になるよう交配されたものです。

現代種(新柴犬)特徴
体形は小柄ながらも筋肉や骨格がしっかりしており、顔はタヌキ顔と呼ばれ、鼻から額にかけての段差がはっきりしており、目が奥まっていて口吻が小さいのが特徴です。


古来種は、狼の血筋が強く気が強いが飼い主に忠実な性格で、暑さ寒さに強いようです。

古来種(縄文柴)特徴
顔は狼・キツネ顔で、スリムで狩に適した体形をしており、口吻が現代種よりも長く、鼻から額にかけての段差が殆どなく、目の色素は現代種よりも赤みが強いようです。


豆柴について

●柴犬保存会等の情報によりますと、豆柴という種類はないそうです。
2008年11月24日に、特定非営利活動法人日本社会福祉愛犬協会(KCジャパン)は、「豆柴公認認定制度による豆柴登録」を開始すると発表しましたが、他の協会(国外も含む)は認定していません。

社団法人 日本犬保存会 より抜粋
『日本犬保存会では「豆柴」と明記した血統書は発行していません』
(中略)
これらと同様な考えで柴犬を矮化し小さくするという行為は柴犬を正しい姿で固定化し、後世に伝えるという本会の主旨を根底から覆すもので、柴犬が持つ日本犬としての本来の姿を否定するものです。
 そしてこれらの豆柴と称される犬達があたかも希少種であるかのように、一部では広告され喧伝されていて、柴犬のことを深く知らない方々から問い合わせや苦情も寄せられています。これらのものは本会が定めた日本犬標準、登録規定に反し、尚かつ日本犬の血統をも混乱させるもので、規格外の体高不足犬ということで日本犬保存会として公認することはありません。

※豆柴をウリにしている業者などで、小柄なもの同士を繰り返し近親交配させているところも実際にあり、脳に障害を持って生まれる子犬も発覚しておりますので、どうしても豆柴を購入したい場合は必ず交配の家系図を確認するようにしてください。

柴犬の毛色と毛の特徴

主な毛色は、赤毛、黒毛、胡麻毛の三種類です。他に、白毛も少数存在します。
日本犬の世界では、茶の毛色を赤毛と言っているようです。
日本に居る8割の柴犬が、スタンダードカラーと呼ばれる赤で占められています。
生まれてから一回目の換毛期を迎える頃、見事な赤色にかわります。
歳をとるにつれて、その毛色はどんどん薄くなって行きます。
毛は、上毛と被毛のダブルコートで、上毛は長く硬い毛で被毛は柔らかくウェーブしてます。
お手入れは、毎日ブラッシングする程度でへトリミングに連れて行く必要はありません。
年に二回の換毛期があり、下の柔らかい被毛が束でどんどん浮いてきます。
手やブラッシングできちんと取り除いてあげないと、皮膚病の原因にもなります。

柴犬の尻尾

●柴犬の尻尾は大きく二分化されます。
腰の上で大きくカールした巻き尾
腰に巻かずに乗る差尾
尻尾は巻き尾・差尾共に、伸ばすとくるぶしの辺りまで伸びます。
其々を細分化したバリエーションは9種類ほどになります。
 @ 左巻き A 右巻き B 左二重巻き C 右二重巻き D 車巻き
 E 半巻き F 半差尾 G 差尾 H 太刀尾
あなたの柴犬の仔犬がどのタイプに成長するのかも楽しみの一つです。

柴犬の病気

柴犬の飼い易い特徴として、体が頑丈で病気知らずなところですが、歳を取ると共に病気がちになります。柴犬特有の病気ではありません。
ただ、柴犬はとても辛抱強く、内臓疾患を患っても早期の発見に至らない場合があります。
毎日のスキンシップで、体の異変などを見落とさないよう観察するようにしましょう。

気をつけたい病気などいくつか紹介します。

○膝蓋骨脱臼 (しつがいこつだっきゅう)
(症状)
「膝蓋骨」とはいわゆる“膝のお皿”のことで、この骨が脱臼してしまうことで、
靭帯も機能しなくなり足を着くことが出来ないため、歩行が困難になります。
原因は先天性のものと後天性に分けられます。
生後1年以内に手術すれば完治するといわれています。

○皮膚疾患
(症状)
外部からのさまざまな刺激を防御する皮膚の「バリアー機能」が低下することで、
細菌やウイルスなどが体内に入りやすくなり、痒みなどの症状が現れます。
代表的なものとして、アトピー性皮膚炎・ノミアレルギー性皮膚炎・
膿皮症・食物アレルギーがあげられます。

○痴呆(認知症)
(症状)
老化や、遺伝性の脳障害が原因で発症する病気です。
ぼんやりする、名前を呼んでも振り向かない、食欲はあるのに痩せる、昼夜逆転する、
夜中におかしな声で鳴き続ける、徘徊する、失禁するなど、様々な症状が現れます。

13歳以上の老犬に現れやすく、柴犬や日本犬系の雑種に多い傾向があろようです。
サプリメント投与、血管拡張剤などの投薬による治療で改善することが期待できますが、
確実な治療法はなく、症状を遅らせる事ができますが進行を止めることはできません。

○緑内障
(症状)
眼球内部の圧力が高くなることで、目が強く充血したり、飛び出したように見えたり、
強い痛みがあったり、目の色が赤や緑に見えたり視力が低下して、最悪失明する事もあります。投薬をつかった内科療法と、投薬での治療は難しい場合に外科的療法が行われます。
早期発見・早期治療につながります。

※6〜7歳の高齢期になったら、症状がなくても定期的に検査を受けるようにしましょう。

その他

柴犬は日本犬の純血種6種類の一つで、昭和11年に国の天然記念物に指定されています。

詳しくは、『ウィキペディア(Wikipedia)』など検索してください。
柴犬 : 縄文柴犬